KZ1300の魅力

【ほぼ日刊 絶品輪業通信 No.13】

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中の人

みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今日は販売中の中からオススメの1台をピックアップ!

カワサキ KZ1300

同じ頃に登場したCBX1000が空冷直列6気筒だったのに対し“水冷”6気筒エンジン。

カワサキのフラッグシップスポーツはGPz1100、まだの空冷時代は2バルブで水冷のGPZ900Rで4バルブになりました。1978年9月のケルンショーで発表されたZ1300は4バルブじゃなくz系からの伝統、ロッカーアームを使わない直押しの2バルブ(DOHC)。ちなみにCBXは4バルブでした。

ロングストローク(ボア・ストローク62×71mm)の1268ccで、バイクではあまり見ないツインチョーク(スズキのGS250FW/GF250もそうでした)のミクニ製φ32mmBSW(もともとは4輪向けに開発された)キャブを3連装しています。変速は5段。

このモデルは1982年製造の北米モデルA4。フレーム番号も該当します(だからKZ1300)。1983年(1984年モデル)からフューエルインジェクションのZG1300シリーズに進化しました。そのインジェクション水冷直列6気筒を積んだ専用フレームの大型ツアラー、ZN1300 Voyagerが派生モデルとして1983年に登場しています。

この個体は「MADE IN JAPAN」で、本当かどうかは知りませんが、A3からネブラスカ州リンカーン工場で生産されたとも言われているし、1988年(1989年モデル)最後の200台のみリンカーン工場で組み立てられたと北米のファンサイトでは書かれていました。だから諸説ありますね。これは日本製ですが。DFI(フューエルインジェクション)装備のVoyagerはリンカーン工場製(らしい)です。

販売中のこの車両は特徴的な長方形ヘッドライトが丸ヘッドライトに変更されているのが特徴です。タミヤ模型の1/6シリーズプラモデルになっている燃料タンクとちょっと違うと思った人は正解です。タミヤ模型の四角い燃料タンクは27L版で、このちょっと丸いものは北米仕様の21Lタンクなんですね。だから、なんというかでっかいどう感が少なくて、絶品輪業中の人としてはこっちのほうがカッコいいと思っております。

このA3のカラーにはホーリーグリーンとエボニーがありまして、これはエボニーです。

燃料タンクはエボニーのオリジナルカラーにリペイントされており(キレイですよ)、タンク内側はコーティングしています。キャップのブリーザー機能がダメになりまして、ブリーザーパイプを前方から別に出しているのがオリジナルと違うところです。リアはA3から純正でKYB製ガスショックです。

実は初めて乗ったんですが、手前味噌ですがこれが良かったんですよ。何よりエンジンが素晴らしい。難しいことは書きませんが、振動が打ち消されて滑らかな吹け上がり、慣性遇力を感じないアクセルの動きにレスポンス良く反応するリニア感。いや~ いいバイクですよ、これ。

乗る前は大きくて重い感じていたけれど、動き出してしまえばまったく気にならない。これホント。個人的には現行のCB1300SFよりも軽々動かせる感じ。ハンドルが大きく切れるので、1車線プラスアルファの幅でもUターンができます。重心が低めで、低速走行時も安定感バツグンです。

足つきは、身長170cmの絶品輪業中の人で両足の先が届くほど。昭和枯れすすきの中の人は短足なので、現代っ子(死語か?)だったらもっと足つきがよいと思われます。シャフトドライブのクセはゼロではないですが、一般的には気が付かないレベルのものでした。

販売しているから良いことを書いている、と思われてるでしょうが、心から走っていて気持ちいいバイクでした。短い試乗でしたが走りにくさなんてまったく感じさせなかった。これより前あったZ~Z1000や、同じ時期のZ1000MK-Ⅱや後のZ1000Jとは共通部品がほぼありません。それだけ贅沢に作られたバイクなんですよ。「世界一のすごいやつをつくってやるぜ」という当時のカワサキ技術者魂が込められていると思います。

走っている動画もいっぱい撮りましたので、後日公開したいと思います。

走行距離は82,692kmと伸びています。北米の人は距離を走りますからね。でも乗った感じ、気になる音とかなかったです。正直に話すと現状でラジエター関係に少し不具合が見つかったので、原因はまだ特定できていませんが、納車する場合は全力で修理をします。この後にインジェクションのZG1300になりますが、黎明期のインジェクションよりキャブのほうが乗り味は自然で、メンテナンスの面でもキャブの方が利があると思います。

価格は支払総額 211万円 です。

完成度の高い(と思いました)ストレート6

よろしくお願いいたします。

みなさま、ごきげんよう!

絶品輪業 中の人

人気のビンテージバイクだけでなくマニアなものまで強くこだわり、販売をしているビンテージバイクディーラー「絶品輪業」の中の人です。

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