【ほぼ日刊 絶品輪業通信 No.44】
ジョギングが趣味の絶品輪業中の人は箱根駅伝を観てからこれを書いております。往路は青学が大逆転でしたね。明日の復路が楽しみです。
ところで、絶品輪業では今年、排気量が小さい古いバイク(原付一種、原付二種)も頑張ってやっていこうと思っております。昨年の暮れから工場長とそういう話をしました。なぜ、そうなったかと申しますと、単純に中の人も工場長も小排気量車が好きなんです笑
ものすごく下世話な表現をしますと、やっぱり単価の高い大排気量車を販売した方が利益としては大きいんです。それは当たり前ですよね。こんな話をして社長に怒られそうですが……。すごい希少車や極上車でも小排気量車は高い価格で販売するのは難しいです。
だけど、小排気量は乗ると楽しいですからね。他の古いバイクを中心に販売しているショップで小排気量車の旧車をやっているところはあまりないんですよ。
絶品輪業は「マニアの、マニアによる、マニアのためのショップ」だと思っておりますから、他がやっていないことをやろうと。
現在、在庫にあるのは、少し前に紹介した スズキ「ハスラー TS50」絶賛販売中!
売れてしまいましたが、少し前にはヤマハ「ポッケ ミッドナイト」もありました。
そして今回紹介するのは、ここでは初登場となる
ヤマハ「MR50」(トップ写真のバイク)です。絶賛販売中!
このMR50は走行距離が 2115km と笑っちゃうくらい走っていないスタンダードの極上車なんですよ。
詳しくは下をクリック。
MR50はロードスポーツフルサイズのFX50、RD50、トライアルのTY50、ミニのGT50やGR50と基本が同じ、ボア40mm×ストローク39.7mmいうほぼスクエアの空冷2ストロークピストンリードバルブのエンジンを搭載。
同じエンジンをカテゴリーの違う機種に使うのはホンダの4ストローク原チャリ、CB50、XE50、TL50、R&Pなどの関係と似ています。
1972年に発売され、初期型はリアが2本ショックでした。
発売当時のカタログ。
しかしなんでモデルが異国の人?
ファッションとヘルメットとバイクとのアンバランスがすさまじいです。マフラーをしてバイクに乗ると、マフラーを後輪に巻き込んで首をしめることになるので注意しましょう。
1977年のマイナーチェンジで前後17インチホイールだったのが、前18インチ、リア16インチになり、ミニ感は変わらないもののオフロード走破性を上げました。
そして1979年、リアショックがカンチレバータイプ、リンクレスモノクロスに進化したんです。さらにチャンバーがエンジン下ではなく上を通るようレイアウトされたおかげで、最低地上高が上がってさらにオフロード走破性を高めています。燃料タンクのデザインも変わりました。
この頃になると原付スポーツバイクがブームになって魅力的なライバルが増えたから進化しないと商品力という点で勝負しにくいので、モトクロッサーから誕生したモノクロスサスを惜しげもなく投入したんでしょう。マーケットが大きいからコストをかけても回収できると判断して、今では考えられないほど贅沢な作りでした。
そして、絶品輪業で販売をしているこのMR50は1980年に発売した最終型(下はメーカー広報写真)
スイングアームが角断面になっております。
中の人の思い出話をすると、高校生の頃に友人がどこからかこの最終型MR50を借りてきまして。当時オフロードなんて走ったことがない友人と私は、「オフロードバイクなんだから悪路を簡単に走れるだろう」という勝手な思い込みをして、近くにあった神社の石段を登るアタックをしたんです。
けっこう斜度と長さのある石段で、友人が最初にトライ。途中でエンストしてMR50と一緒に転がり落ちてきました(借り物のバイクなのに)。次に私です。友人の失敗を見てスロットルを戻したらダメだ、と思い、全開ですよ。スロットルは絶対戻さない決意。中段の踊り場を通り過ぎ見事登頂! ばんざ〜い! ───上にいた神主さんにこっぴどく怒られました……。今だったら賠償、炎上案件です。若気の至りとお許しください。
それと同じようにヤングな頃に原付に乗って遅いけど笑いながら走っていた頃を思い出す人がいらっしゃるはず。我らの世代はみんな原チャリに乗りましたから。そんなあなた、青春の光とカゲ(ハ◯じゃないよ)を懐かしんで、小排気量旧車を楽しもうじゃありませんか。いろいろ企画も考えて行こうと思っております。
というわけで現在販売中の MR50 をよろしくお願いいたします。
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