【ほぼ日刊 絶品輪業通信 No.30】
昨日からの続きです!!
お店にある650RS(W3)を紹介しようと思い、メグロKスタミナから話をはじめまして、ダブサンにたどり着くまで先が長いなぁ……茫漠とした中での遠いゴールを感じ、もっと簡単にやればよかったと後悔しつつ、ローガンズの目が疲れ、しょぼしょぼして視界がぼんやりしだしたので、前編後編にわけました汗
前置きなげーよ、とお叱りを受けそう…
それはいいとして、650RS W3ですよ!
当店にあるのは1974年の後期型。このカラーグラフィックは後期型にあったあずき色(マルーン)です。ダブサン大好きな中の人は、タンクが細く見えるこの後期型グラフィックの方が好きです。
1966年発売のW1は海外にも輸出(というか排気量と時代を考えるとメインマーケットは海外)。翌年にはフロントタイヤを18インチから19インチにして、よりシンプルなフェンダーやテールランプなどスポーティーにしたW1SSが海外モデルとして誕生。さらにW1SSをベースに、W1の1個キャブから2個キャブにして、吸気バルブを拡大。圧縮比を上げ53PSになったW2SSも誕生し輸出された。
このツインキャブのW2SSを国内仕様にしたのが、1968年発売のW1スペシャル(W1S)でした。
当店にW1Sありま~す!
W1Sは、
車両本体価格:158万円、支払総額:165万円です。
気になったなら、なんでもご相談にのりますのでご連絡ください。見学ついでにコーヒーを飲みにこられてもかまいません。よろしくお願いいたします。
中の人は18インチのW1も19インチになった車両にも乗らせてもらったことがありますが、19インチの方が間違いなく安定性が高く、ハンドリングもいいです。後年に出てくる空冷4気筒のZシリーズもずっとフロント19インチでしたし、このサイズでカワサキはよいバランスを見つけていたのだと勝手に思っております。とつぜんキャストホイール18インチの異端児、Z1-Rは……ほらMK-ⅡエンジンのZ1R-Ⅱでは19インチになったから(お察し)。
英国車を手本としていたこともあり、現在のバイクとは違い、ここまで右足側がシフトチェンジ(4速)で左足がリアブレーキと、慣れない人が乗ると、とっさにリアブレーキを踏んだともりでシフトダウンしてしまうんですよね。
そのミスをしなくていい、今のバイクとレイアウトが一緒になったのが1971年に登場のW1SAです。燃料タンクからクロームメッキの加飾がなくなり、ウインカーもより平たいもので、よりモダンなルックス。メインキーの場所も覗き込むように操作するタンク下からメーターの中央になりました。
(これは以前、当店で販売したW1SAです)
メグロから続いてきた、エンジンとミッションが別体になった2気筒エンジンシリーズの最後を飾ったのが1973年発売の650RS、通称ダブサンでした。
最後になってフロントがドラムブレーキからディスクブレーキ、それもダブルになったこと。フロントフォークも基本が4気筒Z系と同じものに。イメージ的には、おじいちゃんに膝が痛くない高校生の孫の足を取り付けたようなもんです。え?例えがよくわからんですか?
それまでカワサキの4ストロークではバーチカルツインのW1シリーズが最大排気量で旗艦モデルだった。それが1972年に900 Super 4(Z1)が登場し、その国内モデルとして翌年に750RSが出た。国内ではROADSTERを略したRSシリーズとして売っていきたいから、W1~じゃなく車名ががらりと変わった650RSになった。ちなみに同じタイミングで同じく並列2気筒の400RSも地味に(地味って言うな!)に出ています。
750も650も初期型じゃないですが。
ステダンはステムトップのダイヤルで調整する旧車にありがちな摩擦式と、アンダーブラケットとフレームをダンパーで繋いだロッド式のと2種類が同時に装着されているという不思議なおもしろい仕様になっています。
この販売車両はロッド式ステダンが付いていませんでした。
エンジン始動はキックのみです。機関が問題ない車両であったなら、またがったままキックしても足ごたえは重くなく簡単に始動するので、気を使うことはありません。
W1SAで巷で正チェンジと呼ばれる左足チェンジに変更したやり方は、トランスミッションに手を加えず、長いリンクロッドをスイングアームピボット部に通して左右を入れ替えていた。もちろんダブサンも同じ。
W1SAのサイレンサーが付いているのですが下側が少しベコベコと凹んでいるのがたまにキズ。
2眼のメーターは、ダブサンでは750RS(Z2)と共通デザインの砲弾型をしています。
650RS、ダブサンといえば映画『彼のオートバ.彼女の島』で知られていますよね。原作は片岡義男。中の人はこの映画を監督した大林宣彦さんの映画が大好きで、たぶんほぼ全部観ています。尾道にも行きました。だけどダブサンが好きなのはこの映画の影響ではなく、乗らせてもらったときにビビビっときたんです。排気音の迫力、スタイル、ワインディングもけっこう楽しめる性能。W1SAもいいんですが、走りは断然ダブサンの方がモダンで私の走りたい気持ちと同調するんです。
自分の話はさておき、販売中のこの車両はピカピカではありません、エンジンが各部にサビを見ることができます。これを古いたたずまいとポジティブに考えるか、もうちょっとキレイに───とネガティブに考えるかはお客様の好みの問題です。興味を持たれていろいろと気になるところをこうしうたい、ああしたいという意見がありましたら、お客様の予算もありますから全部を叶えることはできないかもしれませんが、努力はできます。
国内フラッグシップの750RSが登場しており、650RSははっきりいって発売から大人気とは言えない結果でした。だからか、W1シリーズより新しいのにタマ数は潤沢ではないです。それもあって年々相場が上がっている印象です。欲しいと思っている人は「待っていれば安くなる」という考えを持たない方が無難かもしれません───と購入に誘導( ̄ー ̄)ニヤリ
車両本体価格:179万円、支払総額:189万円です。
よろしくお願いいたします!
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