ペケジェイの逆襲

【ほぼ日刊 絶品輪業通信 No.27】

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中の人

先鋒は ヤマハ XJ550にしました!

サイドカバーに「XJ400」と入っていますが、ちゃんと XJ550です。

ここで気になるのは(気にならないかもしれないけど…)。XJ550 とはなんぞや、ってところです。

XJの名前はヤマハの直列4気筒エンジンに付けられる車名で、80年代前半に国内で売れた、XJ400(E/Dも含む)に、このXJ550、XJ650、XJ750 という姿が似たシリーズがありまして、XJ550以下とXJ650以上間には深くて暗い河があるんですよ。「黒の舟唄」ですよ。

XJ650と拡大版のXJ750は一本筋が通るシャフトドライブ

1981 XJ650 Seca

XJ400とXJ550はシャフトドライブではなくチェーンドライブなんです。それだけが理由ではないですが、エンジンの基本がXJ400とXJ550の2台は同じ。(XJ650とXJ750の2台も同じ)。

そこでXJ550の魅力とはどこにあるのか。
そんなもったいぶって説明しなくてもいいのだけれど、XJ400とエンジンだけでなく車体もほぼ同じことで、650や750よりコンパクトっす。

スペックで比べると550のホイールベースは55.3インチ、約1,405mm。一方650のホイールベースは56.8インチ、約1,443mm。約38mmも550の方が短い!ちなみに400のホイールベースも1,405mmと同じ。

Z400FXが大ヒットして、ヨンフォア以来の400cc4気筒に火をつけた。つられて続いて4気筒エンジンモデルを国内市場へ投入したのがヤマハ、XJ400でした。Z400FXの1,380mmだったからXJ400はホイールベースが長いと表現された記事を見たことがありますが、このXJ550と兄弟だったからこの数値だったんですね。

1979年 Z400FX(E1)

しかし、Z400FX→XJ400の次に出た4気筒400、第三の男スズキのGSX400Fのホイールベースはもっと長い1,415mmなんですよ。だから「長いホイールベースによる安定した走りが~」みたいな記事を読むと釈然としないんですよね~

1981年4月 GSX400F

この時代におこった4気筒400ブームに投入された最後の機種がホンダCBX400F。そのホイールは1,380mmとZ400FXと同じながら、他がフロント19インチなのに対しフロントが18インチで、リアは2本ショックじゃなく1本ショックのプロリンクで乗って最もスポーティーで小さく曲がれる運動性能の高さがありました。これと比べるとZ400FXとXJ400のホイールベースによる走りの差なんて、どちらも何度か乗らせてもらっことがあるけれどはっきり言って大きな差はないです。

1981年11月 CBX400F

ホイールベースの話でクリスチャン・サロン並みのリーンウィズで話が横道にズレていくのはお約束……。まあ、XJ550は400と同じコンパクトさで軽快に走りますよってことです。550と650の車重は2kgくらいしか違わないけれど、乗った感じの軽快さでは確実に550の方へ軍配が上がります。

XJ400は乗ったことがあるけれど、国内販売されなかった550は乗ったことがないって人が多いと思いますが、乗ると、当然のことながらXJ400の398ccよりボアもストロークも大きく130cc増えた528ccのトルクは力強いです。400と比べるとアイドリングからよりスムーズに加速していけて、高回転域で伸びる気持ちよさも550の方がいいと中の人は思いました。50PS/9000rpm、41.9Nm/7500rpmのスペックは伊達じゃない。

この時代のヤマハ直列空冷4気筒の特徴は、他がジェネレーターをエンジンのクランクシャフト端にもってきて、ケースカバーが横に張り出していたのに対し、ジェネレーターをクランクケース上にもってきたこと。キャブレター下にある銀色の筒状がジェネレーター、後ろの黒い小さい筒がセルモーター。

カバーに入っている YICSはYamaha Induction Control Systemの略。ヤマハのホームページには「YICSは、シリンダーへの混合気吸入速度を速め、燃焼時間を短縮し、燃焼効率を上げて省燃費を図るもので、省エネルギーエンジンを低コストで実現した」と書いてある。バイパス通路によって燃焼室の中にスワール流(横巻きの渦)を作って燃焼効率を良くするって仕組みらしい。この仕組みによって燃費が10%近く伸びたとか(これが事実なのかはシランケド)。

背面ジェネレーターのおかげでDOHC2バルブのエンジンが横に張り出さず、マスの集中化にもメリットがあるし、何よりエンジンが小さい。上から見ると左側の張り出しはこんだけしかないです。変速は6段。変速比は6速がオーバードライブ。

ジェネレーターは650、750がクランクシャフトからのギア駆動なのに対し、400と500はチェーン駆動になっています。キャブレターはミクニ製負圧式のBS28 ×4個。400と口径は同じだと思う。ジェネレーターからの熱を避けるためか、漏れたガソリンがかからないようにするためか、キャブレターのフロート室下に金属板があるのがいとおかし。

上に電圧計と燃料計のあるメーターは400と同じデザイン。でもスピードは200km/hまで数字が入っています。

燃料タンクの給油口が右側にオフセットしているのは400と同じ。容量も400と同じ16L。ちょっとタンク右側に小さい傷がいくつか入っています。そこが見た目的な残念ポイント。

デュアルホーンは400もそうだったが、400は黒じゃなくクロームメッキされていた。

フロントブレーキはφ267mmディスクを2枚。ホイールはRZとかとデザインが共通している、通称”火炎キャスト”ホイール。フロント19インチ、リアは18インチ。

どうでしょう、読んでいると、あなたはだんだんXJ550が欲しくなる欲しくなる。

車両本体価格:110万円支払総額132万円です。

どうでしょう。絶品輪業に見にきませんか。事前に電話で来店予約をしていただいたら、最寄りの駅までスーパーカー(実はキャラバン)でお迎えにあがります。よろしくお願いいたします!

絶品輪業 中の人

人気のビンテージバイクだけでなくマニアなものまで強くこだわり、販売をしているビンテージバイクディーラー「絶品輪業」の中の人です。

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