【ほぼ日刊 絶品輪業通信 No.25】
今日の話題は在庫車の中から、
CB400FOUR 欧州仕様 を紹介します。
ホンダ CB400FOURはご存知の方も多いと思いますが、ベースとなったのは1972年に発売されたCB350FOURでした。
兄貴分のCB750FOURと同じくフロントディスクブレーキに4本出しマフラーで、個人的には好きな機種なんですが、発売されていた頃は販売にかなり苦戦して思うように売れませんでした。
その前はパラツインのCB350エクスポート、これにフロントディスクブレーキを装着したCB350セニアでした。
【1972 CB350 エクスポート】
【1972 CB350 セニア】
CB350 FOURが売れなかった理由のひとつに、2気筒分増えたコストもあり販売価格が高くなったことがあります。CB350 エクスポートは20万9千円、CB350セニアは22万4千円。それに対しCB350FOURは26万5千円なんです。この価格差は現在我々が感じるより開きがあります。ちなみに1973年発売の2ストローク2気筒で元気な加速のヤマハRD350は23万円です。
【1973 RD350】
そして、もうひとつネガティブな要素が、それは───遅いと評価されたこと。CB350セニアよりカタログに記載された最高出力で2PS、最大トルクで0.4kgf・mとわずかに勝りますが、車両重量が16kg重かった……。さらにフラットなトルク特性で加速している感じが弱い。2気筒のような蹴り出し感はない。それで「遅い」という評価になってしまいました。
売れないからCB350FOURのテコ入れが決定。それで「遅い」と評価されたことに対処するためにボアを4mm広げ、408ccにしたCB400FOURが1974年12月4日(50年前の明日)に発売されました。これで最高出力は37PSになり最大トルクは0.5増えた3.2kgf・mに。
絶品輪業中の人は、ヨンフォアをデザインされた佐藤允弥さんにお会いしてお話をうかがったことがありまして、佐藤さんはCB350FOURのデザインも手掛けられています。
(350で)一度失敗をしたのに、またやらせてもらえることがとてもありがたく思ったと佐藤さんはお話しされていました。反省もあり保守的だった350のデザインから大胆に変更することにして、当時話題になっていたカフェレーサーのスタイルも参考にして作り上げていったということでした。
コストに厳しかったこともあり、単色の外装も美しいと言われた集合管も、コスト削減という目的があったと伺いました。
絶品輪業にある欧州使用のCB400FOURの特徴は、リアフェンダーが国内仕様のものより長いこと。そしてテールランプとウインカーも国内仕様と異なっています。
残念なところは4番シリンダーのエキパイに大きく傷が入っているところ。お客様次第でリプロ品もあるのでそれに交換もできます(サイレンサーはすでにリプロ品になっています)。そこが唯一のマイナスポイント。
欧州仕様はウインカーステーも長いのが標準です。
ヨンフォアはコンパクトなんですよ。だから女性でも小柄な人でも怖くなく楽しめると思います。
1975年式 CB400FOUR 408cc 走行距離はメーターを交換した決定的な証拠はないのですが、換えていないという確証も得られないので、「走行不明」としか表現ができません。ただし、キャブレターもオーバーホールして、現在ビュンビュンエンジンはなんの問題もなく回ります。
車両本体価格:198万円、支払総額:213万円です。
ぜひ「おお400。おまえは風だ。」気分を味わってください。
それでは、また!
ごきげんよう。
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