GPZ400Rは速かった

【ほぼ日刊 絶品輪業通信 No.22】

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中の人

予告通り、当店在庫の中にある『絶品輪業中の人イチオシの車両』カワサキ GPZ400Rのご紹介をしたいと思います!

八丁味噌じゃなく手前味噌(オヤジギャグでスミマセン)全開フルスロットルですが、驚くレベルの個体なんですよ。

GPZ400Rは1985年、いわゆる猫も杓子もバイクに乗った空前のバイクブームのときに発売されました。あの頃はTVでバイク関連の番組や、CMが普通にありましたからね。レースとレーサーレプリカ人気が盛り上がっている中で、カワサキは右へならえをしなかった。我道を行った。

ブランド初の400cc水冷4気筒エンジンを開発し、凝ったアルミフレーム、フロント16インチタイヤ(リアも16インチなのが異端)。フロントフォークのアンチノーズダイブ機構=AVDS。カワサキ初の400ccフルカウル、アルミセパレートハンドル、当時のメーカー間馬力自主規制上限の59PS。

ライバルレーサーレプリカに負けないくらいのスペックなのにレーサーレプリカスタイルにしなかった。ある意味で勇気がある決断だけど、自分たちのやり方を貫けるほどバイクが売れていたってことでもあります。

空気の流れを阻害しない造形と前方投影面積をあわせた CdA値が0.29と空力に優れているとカタログではうたっていました。

グランドツアラー的見えるけれど、これが速くて、当時、お祭りのように早朝からライダーが集まって、見学者までいた、峠で、1台はGPZ400Rに乗る速いヤツがいたもんです(個人の狭い範囲の経験にもとずく感想です)。そしてこのバイクは売れたんですよ。ヒット作。

紹介する車両は1988年式のD3。カラーは純正の赤ガンメタ(キャンディパーシモンレッド×メタリックグレーストーン)です。テールサイドに入っているロゴが初期型は【Liquid Cooled 16-VALVE】でD2になると【GPZ400R】になり、そしてこのD3は【GPZ】だけなんですね。

そして初期型では【GPZ400R】と入っていたアッパーカウルサイドには【Ninja】と入ってます。アンダーカウルのNACAダクトは80年代男のロマンですね(意味不明)。

このD3外装が新車のようにツヤツヤなんですよ。間違いなく紫外線や風雨の当たらない屋内で保管されていたんでしょう。走行距離はたったの3,725km!

乗るなら絶対に交換しないとダメですが、出荷時に履いていたダンロップのアローマックスのままなんです(GPZ400Rといえばこのアローマックというイメージ)。タイヤに入っている製造年月日が1987年36/37週ですから、間違いなく出荷時タイヤ、当時物パーツです笑

エンジンカバーの塗装に少し酸化のダメージはありますが、極上と言っていいコンディションです。サイドにもアルミ角パイプが入っている【AL CROSS FLAME】がGPZ400Rの大きな特徴でした。

兄弟車でもある輸出版のGPZ600Rは同じように見えて鉄フレームでサイドパイプはなく、【AL CROSS FLAME】に見えるようサイドパイプに似た樹脂のカバーが付いていました。(GPZ600Rのパーツリストより)

GPZ400Rのネイキッド版であり、さっぱり売れずにマニア車両となったFX400Rのフレームも600同様に鉄でした。

「センタースタンドなんてへの突っ張りにもなりませんよ」って頃にあえて採用しているのもカワサキらしいところ。

細長い長方形テールランプからGPZ900Rニンジャの血糖───じゃなかった血統を感じさせてくれる。

1987年には後継モデルのGPX400Rが発売されたんですが、フレームがアルミからスチール丸パイプになったりで、シートが低くて乗りやすく進化はしているのに売れなかった。レーサーレプリカカルチャーがさらに深まっていきつつある時代において、完全に逆行しているのもあり、ユーザーの心を掴めなかったんですね。その販売の苦戦もあって、人気モデルだったGPZ400Rは完全に入れ替わらず併売されました。D3はD1~D2であったところが対策されていたりすると言われています。またD4からはGPX400Rと同じエンジンを積んだとも言われています。

車載工具も使用感なくあり、外装や何やら取り替えた形跡もない正真正銘のGPZ400R D3型。「懐かしー、昔乗っていたんだよね」「ほしいと思っていたんだけど若い頃は買えなかったんだよね」と思っているあなた、極上コンディションのこの車両はいかがでしょうか。

車両価格:110万円支払総額122.3万円です。

見に来ていただけるだけでも大歓迎です!

絶品輪業 中の人

人気のビンテージバイクだけでなくマニアなものまで強くこだわり、販売をしているビンテージバイクディーラー「絶品輪業」の中の人です。

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