【絶品輪業通信 No.95】

こんにちこんばんは。
古いバイクにおいて最も大きな問題は、もう新品部品が手に入らないことですよね。当店でも常に頭を悩ませています。カワサキZ系などリプロ品がたくさんある人気車だったら手に入りやすいのでいいのですが……
さて、これはなんでしょう?
某ヤマハ車のフロントブレーキキャリパーのピストンなんです。古いバイクの鉄製ピストンはこうなっていることが多いです。
酸素や水分、汚れと反応して鉄の表面がトムとジェリーに出てくるチーズのようになっているんです。
(イメージ)
穴は貫通をしてはいませんが虫食い状態です。もしキャリパーのピストンシールを新品にしても、このままでは元の木阿弥、観阿弥、世阿弥ですよ。
新品に交換するべきです。でも、手に入りません。中古品を手に入れても、保管環境で違いはあれど似たようなものが多い。
ピストンシールもこの車種の部品番号で新品はでないのですが、絶品輪業の敏腕メカである工場長が、同じサイズで流用がきく新品が手に入る部品があることを知っていたので、それで対処しました。
ピストンはシールが当たる部分の可動域を、金属素材で穴埋めし、それを旋盤で削り整えました。
(写真がピンボケ……)
旧車を整備するのは一筋縄ではいかない。でも悪いところをそのままにはしたくない。時間と手間はかかりますが、ちゃんと「乗れる」車両にするための努力です。
それでは、また、股のぞき。
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